病院コラム
Column愛犬の咳に隠れた病気|早期発見のために知っておきたいこと
犬の咳は心臓病だけではありません。
犬の咳は「風邪」ではなく、心臓病や呼吸器の病気のサインであることが多くあります。
特に高齢犬では複数の要因が重なって症状が出るケースも少なくありません。
咳の原因は大きく分けて以下の2つが挙げられます。
- 呼吸器の病気(気管支炎、気管虚脱、肺炎、寄生虫感染など)
- 心臓の病気(僧帽弁閉鎖不全症などによる心不全)
呼吸器疾患や心疾患でみられる咳の原因
●呼吸器の病気で見られる咳●
◯気管支炎
炎症によって咳や痰が出やすくなります。季節の変わり目や寒暖差で悪化しやすい病気です。
◯気管虚脱
小型犬に多い病気で、気管がつぶれるように変形し、特有の「ガーガー」という咳が出ます。
◯肺炎
発熱や元気の低下を伴うことがあり、重症化すると命に関わることもあります。
●心臓病で見られる咳●
◯弁膜症
高齢犬や小型犬に多い心臓病で、心臓の弁がきちんと閉じなくなることで血液が逆流し、心臓に負担がかかります。
◯心筋症
大型犬に多い心臓病で、心臓の筋肉(心筋)の働きが弱くなり、血液を十分に送り出せなくなる病気です。
◯寄生虫疾患(犬糸状虫=フィラリア)
予防していない犬で、慢性的な咳や呼吸困難を引き起こす原因になります。
心臓のポンプ機能が低下することで、全身に血液が行き渡りにくくなり、肺や体に血液が滞る(うっ血)ため、咳や呼吸困難、元気消失などの症状がみられます。
咳の特徴
- 夜間や明け方に出やすい
- 運動や興奮時に悪化する
- 呼吸数が安静時でも増えている
進行すると肺に水がたまる「肺水腫」を起こし、命に関わる状態になることもあります。
季節の変わり目に咳が増える理由
- 気温差や乾燥 → 気管支炎や気管虚脱の悪化
- 気温低下 → 血管収縮により血圧上昇、心臓の負担増加
- 昼夜の寒暖差 → 自律神経の乱れによる循環不安定
秋や冬の入り口は、呼吸器疾患も心臓病も悪化しやすい時期です。
飼い主さんがチェックしたいポイント
- 咳が出るタイミング(夜、朝方、運動後など)
- 咳の音(乾いた咳、ゼーゼー、ガーガーなど)
- 呼吸数(安静時に30回/分以上は要注意)
- 元気や食欲の変化
- 散歩の途中で疲れやすい
動物病院で行う検査
- 聴診:心雑音や肺音の確認
- カフテスト:気管に軽く圧迫を加えて咳の反応をみることで、犬の気管虚脱の有無や程度を確認する簡易的な検査
- レントゲン検査:心臓の大きさ、肺や気管の状態を評価
- 心エコー検査:弁の動きや血液の逆流を確認
- 血液検査(BNPなど):心臓への負担を数値で把握
ご家庭でできる予防と注意点
- 季節の変わり目は咳や呼吸の変化をよく観察する
- 室内の温度・湿度を一定に保つ
- 肥満を防ぎ、心臓や呼吸器の負担を減らす
- 無理な運動は避ける
- 7歳以上は年に1〜2回の定期健診を受ける
犬の咳は、呼吸器の病気でも心臓病でも起こる症状です。
特に高齢犬は季節の変わり目に体調を崩しやすいため、
咳を軽く考えず、早めに動物病院で検査を受けることが大切です。
愛犬の咳や呼吸の変化に気づいたときは、ぜひお気軽にご相談ください。
🏥当院のご案内
📍 はしもと吹田アニマルクリニック
〒565-0821 大阪府吹田市山田東2-10-3(駐車場10台あり)
👨⚕️ 院長:橋本雄大(獣医師)
🔬 得意分野:皮膚科・呼吸器科・麻酔科・腫瘍科・外科
🌿 「かゆみ外来」「せき外来」など、症状別外来も設置
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