病院コラム
Column尿管結石により尿管ステントを設置した一例(犬)
尿石症
尿石症とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路系に結石があり、それにより様々な症状を引き起こす病気です。
結石が存在することによって、粘膜が物理的な刺激を受けて損傷したり、炎症や感染症を引き起こしたりします。
さらには結石自体が尿路の閉塞を起こすと危険な状態になる場合もあります。
⚪︎尿の流れ
腎臓で作られた尿は尿管を通り、膀胱に運ばれ膀胱にある程度溜まった後に尿道を通り、外界に排出されます。
主に結石は腎臓と膀胱で形成・成長していきます。
尿管結石や尿道結石は、腎臓・膀胱からそれぞれ流れ込んだ状態が一般的です。
⚪︎原因
- 尿路感染
- ご飯の影響
- 飲水量が少ない、トイレの回数が少ない
- 尿路発生の異常(先天的異常)
- 基礎疾患
⚪︎症状
- 血尿
- 少量頻回の排尿、もしくは全く尿が出ない
- 疼痛(腹痛・排尿痛など)
- 無症状の場合も
⚪︎尿石の種類
尿石の大部分はストラバイト結石とシュウ酸カルシウムの発生が多く、犬種や基礎疾患により尿酸、シスチン、混合タイプの結石の発生も見られます。
- ストラバイト(リン酸マグネシウムアンモニウム)
▶︎結晶:三〜六角柱型、結石:白色〜淡黄色で表面滑らか
▶︎アルカリ尿でできやすい
わんちゃん達の場合、
ある菌の感染により尿のpHをアルカリ性に傾ける物質を産生するため
ストラバイトの形成に大きく関与しています。
▶︎食事療法による溶解が可能。

https://nyantomo-health.com/disease/urolithiasis
- シュウ酸カルシウム
▶︎結晶:正八面体、結石:黄褐色で表面がギザギザ
▶︎酸性尿でできやすい。
▶︎食事による溶解は困難。

https://nyantomo-health.com/disease/urolithiasis
⚪︎検査
- レントゲン検査
(上記2つの結石はレントゲン上では白く確認することができますが、
尿石の種類によってはレントゲンでうつらない種類もあります。) - 超音波検査
- CT検査
- 尿検査
- 血液検査
⚪︎治療
内科的治療
- 食事療法
→ストラバイト結石の場合、尿pHが調節されている療法食で溶解することができます。
→シュウ酸カルシウム結石の場合は療法食によって溶解することはできないため、
閉塞など急を要する場合は外科手術が必要な場合もあります。
外科的治療
- 切開術(膀胱切開・腎切開・腎盂切開・尿管切開・尿道切開-会陰尿道瘻)
→結石の場所やその子の状態により適切な部位を切開し結石を摘出する。
⚪︎予防
- 十分な飲水
- トイレ環境の改善
- 尿石ができやすい子には尿路系療法食のごはんの徹底
- 肥満防止
当院を受診し、実際に尿管結石の摘出•尿管ステントの設置を行なった症例をご紹介させていただきます。
トイプードル 14歳
お腹が痛そうで震えている、下痢をしている、とのことで当院を受診されました。
腹部エコー検査にて左腎臓の腎盂拡張と、
左尿管内に結石が見られたため、
「尿管結石による尿管閉塞」と診断しました。
左腎臓内にも多数の結石が見られており、尿管結石の除去のみでは再閉塞のリスクが高い事を考え、
オーナー様とご相談の上、
尿管結石の除去と尿管ステントの挿入を行いました。
この症例のわんちゃんは元々、慢性腎臓病で定期的な点滴通院を行っていました。
腎機能がすでに低下しており、
- 尿管結石により致命的な腎不全に陥る危険性があったこと
- 疼痛等による生活の質の低下が認められていたこと、
など、これらの点を踏まえて、
今回手術を実施する経緯となりました。
手術中、左側の尿管内には多数の結石があり、
尿管を2ヶ所切開し、可能な限り結石を除去いたしました。
切開した部分からステントを挿入•留置し、尿管縫合した後、手術終了としました。
↓術前腹部レントゲン
↓術後腹部レントゲン 尿管ステント設置後


↓摘出した結石

慢性腎臓病がありましたが、
術前〜術中〜術後の適切な点滴管理を行なったことにより
手術も無事終わり、手術後の経過も良好で
その後ご家族が待っているお家へ退院することができました。
はしもと吹田アニマルクリニック
院長 橋本雄大
大阪府吹田市山田東2-10-3
駐車場有り(10台分)
吹田市•豊中市•摂津市•守口市•茨木市、
大阪市内からも車でのアクセス良好です🚗
◯関西発の症状別外来(かゆみ外来、せき外来)設置
◯得意分野: 皮膚科、呼吸器科、麻酔科、腫瘍科、外科
◯吹田市で最も愛される病院を目指すべく、日々研鑽に努めてます
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