病院コラム
Column尿管閉塞により手術を行なった一例(犬)
このページには手術などの画像が含まれます。
苦手な方はご覧になられませんようお願いいたします。
●尿の流れ
腎臓で作られた尿は尿管を通り、膀胱に運ばれ膀胱にある程度溜まった後に尿道を通り、外界に排出されます。

尿路閉塞とは、腎臓や尿管、膀胱、尿道など尿が流れる経路が詰まることで、尿の流れが遮断される状態です。
●症状
- 少量頻回の排尿、もしくは全く尿が出ない
- 腹痛
- 血尿
- 食欲の低下
- 嘔吐
●原因
- 尿石症
- 膀胱三角部の腫瘍
- 尿管の線維化 (硬くなること)
- 尿路の発生異常
●検査
- 身体検査
- 尿検査
- 血液検査
- 画像検査(X検査や超音波検査、場合によってはCT検査など)
●治療
内科的治療
→原因(感染・炎症・腫瘍等)に合わせた薬の内服
→食事療法
尿石が原因の場合で、尿石の種類がストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)と呼ばれる成分でできている場合は食事による食事療法を試みることができますが、シュウ酸カルシウムという成分からできている場合は食事療法で行うことは困難とされています。
外科的摘出
→尿管切開術:尿管を切開して石を取り出し、元通りに縫う方法。
→尿管ステント設置術:腎臓〜尿管〜膀胱にチューブを設置することで尿の流れを確保する方法。
(尿管ステントとは、ピッグテールといって豚の尻尾の様にくるっとなっている構造が両端にみられます。その構造により、設置後にステントがズレてしまうのを防いでいます。)

→皮下尿管バイパス術:閉塞が起きている尿管は通さずに、腎臓から膀胱へチューブを通し、尿の迂回路を作る方法。
当院を受診し、実際に尿管結石の摘出•尿管ステントの設置を行なった症例をご紹介させていただきます。
マルチーズ 8ヶ月
はじめは定期健診で来院されました。
食欲・元気などは問題なかったのですが、飼い始めた当初から背中を気にしたり、突然キャンと鳴くことがあると飼い主さんからお聞きし、何か病気が隠れていないか必要な検査を実施しました。
エコー検査にて右腎臓の中心部分、腎盂と呼ばれる箇所の拡張(赤矢印)が認められました。


尿検査・血液検査の結果からから尿管閉塞と診断しました。
まずは、1週間ほど投薬治療を試みましたが、閉塞が疑われる部分の改善は見られなかったので、
外科的な治療が必要と考え手術を実施いたしました。
これ以降、手術中の画像が続くのでご注意ください。
手術では、右側の尿管内に閉塞の原因となった物質(結石や炎症産物等)が認められました。

閉塞していた部分の周辺の尿管が脆くなっていたため、尿管の一部を切除し、切断部同士を縫い合わせ、尿管ステントの設置も実施いたしました。
↓尿管同士を縫い合わせた直後の写真

ステントが正しい位置に設置されているのを確認し、手術は終了としました。
尿管の閉塞を解除する方法や、再閉塞を防ぐ方法には様々な方法がありますが、
それぞれの年齢や閉塞に至るまでの経過やその子の状態など総合的に評価して手術の方法を決定します。
本来、尿管ステントなどの人工物をいれない方法を選択したいですが
今回のわんちゃんの場合はかなり年齢も若く、先天的な異常の可能性も考えられ、
再度閉塞してしまう可能性も否定できなかったため、確実に尿の通り道を確保するために尿管ステントの設置を選択しました。
術後の超音波検査では、腎盂の拡張は改善しているのがみられ、


また、術後1週間の超音波検査でも再閉塞等はみられませんでした。


今後はステントのズレやステント自体の閉塞に気をつけながら、経過観察をしていきます。
愛犬たちの異変に気付けるように、元気な時の排尿回数・尿量・飲水量などを把握することは非常に重要になってきます。
また、特に大きな異常がない場合でも年に1回など定期的に尿検査や画像検査を受けることも早期発見に大切です。
はしもと吹田アニマルクリニック
院長 橋本雄大
大阪府吹田市山田東2-10-3
駐車場有り(10台分)
吹田市•豊中市•摂津市•守口市•茨木市、
大阪市内からも車でのアクセス良好です🚗
◯関西発の症状別外来(かゆみ外来、せき外来)設置
◯得意分野: 皮膚科、呼吸器科、麻酔科、腫瘍科、外科
◯吹田市で最も愛される病院を目指すべく、日々研鑽に努めてます
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