病院コラム
Column【大阪府・吹田市・北摂地域】猫のいびき・鼻づまりは短頭種気道症候群かも?外鼻孔狭窄症の手術治療と改善症例
「鼻がブーブー鳴る」
「寝ている時にいびきをかく」
「興奮すると口を開けて呼吸する」
「暑い日に苦しそうに呼吸する」
このような症状はありませんか?
実は猫でも『短頭種気道症候群』が起こることがあります。
今回は実際に当院で行った外鼻孔狭窄症(がいびこうきょうさくしょう)の手術症例をご紹介します。
猫の短頭種気道症候群とは?
短頭種気道症候群(BOAS)は、顔が平たい猫にみられる呼吸器疾患です。
代表的な猫種として
- ペルシャ
- エキゾチックショートヘア
- ヒマラヤン
などが挙げられます。
鼻や喉の構造的な異常によって空気の通り道が狭くなり、
- いびき
- 呼吸音の増加
- 開口呼吸
- 運動不耐性
- 熱中症リスクの増加
などがみられます。 (Brachycephalic Airway Syndrome in Cats)
猫で最も多い異常は「外鼻孔狭窄」
犬の短頭種気道症候群では
- 外鼻孔狭窄
- 軟口蓋過長
- 喉頭小嚢反転
- 気管低形成
など複数の異常が問題になります。
一方で猫では、特に「外鼻孔狭窄」が呼吸障害の大きな原因となることが報告されています。 (A novel surgical approach for feline stenotic nares: Bilateral wedge resection of the dorsal lateral nasal cartilage in seven cases)
鼻の穴が極端に狭くなっているため、吸気時に大きな陰圧が発生し、常に呼吸に余計な力が必要になります。
当院症例
【術前写真】

左右とも鼻の穴が非常に狭く、
スリット状になっています。
飼い主様も
「昔から鼻が鳴る」
「寝ている時のいびきが気になる」
とおっしゃっていました。
手術について
【術中写真】

外鼻孔狭窄症の手術では、鼻翼(びよく)の一部を切除し、空気の通り道を広げます。
鼻の構造は非常に小さく、猫では数ミリ単位の調整が必要です。
切除しすぎると変形を起こし、逆に不足すると十分な改善が得られません。
そのため、当院では拡大視野下で丁寧なマイクロサージェリーを行っています。
呼吸機能の改善だけでなく、術後の見た目にも配慮しながら手術を行います。
術後
【術後写真】

鼻の開口部がしっかり確保され、
空気の通りが大きく改善しました。
術後は呼吸音も軽減し、
ご家族にも変化を実感していただけました。
実は犬でもよく行われる手術です
この手術は
- フレンチブルドッグ
- パグ
- ボストンテリア
などの短頭種犬でも広く行われています。
近年は猫でも短頭種気道症候群の認知が進み、外科治療によって生活の質(QOL)が改善することが報告されています。
2026年に報告された37頭の短頭種猫の研究では、全例で呼吸症状の改善が認められ、飼い主様の約84%が生活の質の向上を実感しています。 (Stenotic nares treatment in 37 brachycephalic cats by ala vestibuloplasty: 2017–2025)
呼吸器外科にも力を入れています
当院では
- 気管支鏡検査
- 鼻腔・上気道疾患の診断
- 短頭種気道症候群
- 外鼻孔狭窄症手術
など呼吸器疾患の診療に力を入れています。
「いびきだから仕方ない」
と思われている症状の中に、
治療によって改善できる病気が隠れていることがあります。
鼻が鳴る、呼吸が苦しそう、口を開けて呼吸するなどの症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
まとめ
猫の外鼻孔狭窄症は短頭種気道症候群の一つです。
放置すると呼吸への負担が続き、
熱中症や呼吸困難のリスクにつながることがあります。
適切な診断と外科治療により、
呼吸状態や生活の質の改善が期待できます。
当院では呼吸器診療および呼吸器外科に力を入れております。
短頭種猫の呼吸で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
📍 はしもと吹田アニマルクリニック
〒565-0821 大阪府吹田市山田東2-10-3(駐車場10台あり)
👨⚕️ 院長:橋本雄大(獣医師)
🔬 得意分野:皮膚科・呼吸器科・麻酔科・腫瘍科・外科
🌿 「かゆみ外来」「せき外来」「げり外来」など、症状別外来も設置
🐶🐱犬猫の呼吸器専門治療・外科手術に特化
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