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犬の多飲多尿に要注意!クッシング症候群とはどんな病気?吹田市の動物病院が解説

内分泌系

「最近、うちの子がやたらと水を飲むようになって…」
「お腹がぽっこりしてきた気がする」

そんな症状、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の可能性があります。

■ クッシング症候群とは?

クッシング症候群とは、副腎という臓器から過剰に分泌されるホルモン(コルチゾール)が体に悪影響を及ぼす病気です。
特に中〜高齢の犬に多く、進行がゆっくりのため、気づかれにくいのが特徴です。

■ 主な症状は?

クッシング症候群の症状は多岐にわたりますが、代表的なものには以下が挙げられます。

  • 多飲多尿(水をたくさん飲む・おしっこの量が増える)
  • お腹が膨らんで見える(腹部膨満)
  • 左右対称の脱毛、皮膚が薄くなる
  • 運動を嫌がる、疲れやすくなる
  • 食欲が異常に増す

これらの症状はゆっくりと現れるため、「年齢のせいかな」と見逃されがちです。
しかし、早期に発見することで改善につながった例は多数あります。

■ 原因は何?

犬のクッシング症候群には主に3つのタイプがあります。

  1. 下垂体性クッシング(最も多いタイプ)
     脳下垂体からのホルモン異常により、副腎が過剰に働いてしまうタイプ。
  2. 副腎性クッシング
     副腎そのものに腫瘍ができてホルモンを出しすぎているタイプ。
  3. 医原性クッシング
     ステロイド薬の長期投与により、体内のホルモンバランスが崩れたもの。

いずれの場合も、正確な診断が必要となります。

■ 放置するとどうなるのか?

クッシング症候群を放っておくと、以下のようなリスクがあります。

  • 糖尿病や膀胱炎の合併症を引き起こすことが多い
  • 免疫力が落ちて感染症にかかりやすくなる
  • 皮膚の状態が悪化し、かゆみや傷が治りにくくなる
  • 筋力低下や骨粗しょう症の進行
  • 高血圧や心臓への負担が増える場合もある

これらは犬の生活の質を大きく下げ、最悪の場合は命に関わることもあります。早期発見・治療がとても重要です。

■ 診断には何が必要?

クッシング症候群の診断には以下のような検査を組み合わせて行います。

  • 血液検査・尿検査
  • ホルモン刺激検査(ACTH刺激試験など)
  • エコー(超音波)検査による副腎の評価
  • CT検査(必要に応じて行うこともあります)

■ 治療方法は?

クッシング症候群は完治が難しい病気ですが、適切な治療で症状を抑えることができます。
主に以下のような治療を行います:

  • 内服薬(トリロスタンなど)によるホルモン抑制療法
  • 腫瘍性の場合は手術や放射線治療を検討するケースもあり
  • 定期的な血液検査と経過観察が不可欠

治療は一生涯にわたることが多いため、継続的なサポート体制が重要です。

✔︎「なんとなく元気がない」
✔︎「水をよく飲む」
✔︎「太ったのに筋肉が落ちた気がする」

そんなお悩みがある場合、クッシング症候群の可能性も視野に入れるべきです。

当院では、犬のホルモン疾患をはじめとした幅広い診療を提供し、飼い主様の不安に寄り添います。

ぜひ気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!

はしもと吹田アニマルクリニック
院長 橋本雄大

大阪府吹田市山田東2-10-3

駐車場有り(10台分)
吹田市•豊中市•摂津市•守口市•茨木市、
大阪市内からも車でのアクセス良好です🚗

◯関西発の症状別外来(かゆみ外来、せき外来)設置
◯得意分野: 皮膚科、呼吸器科、麻酔科、腫瘍科、外科
◯吹田市で最も愛される病院を目指すべく、日々研鑽に努めてます

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